2026年4月11日、東京商工リサーチより「士業」の倒産に関するデータインサイトが発表されました。
この報告では、法律や会計などの専門士業が抱える経営の深刻な実態が浮き彫りになっており、特に近年の倒産数の増加が注目されています。

競争激化と倒産件数の急増
今回の発表では、1990年度から2025年度までの「士業」事務所の倒産件数が調査され、2024年度と2025年度に過去最多の18件の倒産が記録されました。
「士業」は、個人事務所が多かった1990年代から一転し、2000年代以降は法人化が進みました。この変化により、競争が激化しているのが背景にあります。
特に2025年度の倒産原因は売上不振が主で、18件中10件(55.5%)を占めました。また、代表者の死亡という要因も「その他」として約28%を占め、「士業」の高齢化と後継者不足が際立つ結果です。
コンプライアンスと新たなリスク
コンプライアンス違反も新たな倒産原因として注目され、2024年度には4件、2025年度にも2件の事例が報告されました。
都内の税理士法人では、コロナ支援の持続化給付金の不正受給を指南し、倒産に至るケースもありました。このように、法の知識を持つ士業であっても、コンプライアンスが求められる現代社会では、その違反が即座に経営危機につながるリスクが存在します。
そして、AI技術の発展も、一部の業務を自動化し、士業経営に影を落とす可能性があります。しかし、人間的な判断や信頼の構築はAIでは補えない部分も多く、これまで以上に正確で誠実な業務運営が求められています。
今後、「士業」が経営を安定させるためには、体調管理や後継者育成、そしてコンプライアンス遵守を強化することが求められます。